村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「ビジネス視点」の記事一覧

「一人暮らし世帯特有」の価値を組み込む

社会の高齢化が進むと一人暮らし世帯が増える。この世帯が求める価値のキーワードは「小型(小口)」「軽量」「健康」「安心」「手軽」「高品質」だ。実は一人暮らし世帯でなくても、「一人で楽しみたい」というニーズもかなり存在する。クラブツーリズムが提供している「ひとり旅」は、そのような「一人で参加して楽しみたい人」向けの「おひとり参加限定」の旅行商品だ。

これからは「楽しみながら脳が鍛えられる」商品が増えていく

脳計測実験の結果、クロスステッチ刺繍や編み物を行うことで大脳の前頭前野を中心とした脳活動が活発化することが実証されている。前頭前野は脳の司令塔と呼ばれる認知機能の中枢で、この部位の活動が日常的に活発化すれば認知機能の維持・向上が期待できる。年配の女性には刺繍や編み物などが好きな人も多い。好きな手芸に取り組むことで、楽しみながら脳の健康を維持できる。これからは団塊世代を対象にしたこうした商品が増えていくだろう。

1日30分でコロナ太りを解消!男性版カーブス

メンズ・カーブスとは、女性専用フィットネスで業界トップのカーブスの男性版です。実は世界中で日本にしか存在しません。理由は日本で商品化されたからです。特長は①筋トレ・有酸素運動・ストレッチの全てが30分で完結する、②個別指導の「セミパーソナル・サービス」を追加料金なしで受けられる、③自分のペースで無理なくできてコスパもよいことです。女性用カーブスではコーチは全員女性ですが、メンズ・カーブスでは男性と女性がコーチとしてサポートします。コーチとのコミュニケーションが多いことで継続の動機が上がることもポイントです。

ばらまくなら「現金」ではなく、副収入の「機会」を

仮に5万円給付したとしてもお金をもらった人の半分以上は先行き不透明なこの時世では使わずに「貯金に回す」人が多いでしょう。だから国税を投入しても大した景気刺激策になりません。ばらまくべきなのは「現金」ではなく「機会」です。機会とは、年金受給者の就業機会、副収入を得るためのスキルアップ機会などです。単に個人に5万円ばらまくなら、生活費の一部や旅行代金に消えて終わります。しかし、その5万円がきっかけでIT機器のスキルが上がったり、資格取得につながったりすれば、副収入機会が広がり、消費も増えます。
習慣行動化の例

健康管理を続ける秘訣とは?

健康管理を毎日続ける秘訣は、健康管理という「目的行動」を「習慣行動」に変えることです。目的行動の繰り返しによって、その価値は私たちの脳に「学習」され「記憶」されていきます。価値が記憶されると、やがてその行動を無意識的に選択するようになります(習慣行動化)。習慣行動化を促すには、自分にとっての①価値・恩恵が最大化され、②手間・コスト・心的エネルギーが最小化されることです。

脳の萎縮度のAI分析により認知症予防へつなげる

アルツハイマー病の進行過程では、記憶力や判断力などの認知機能低下の前段階に、脳の「萎縮(いしゅく)」が起きることがわかっている。特に脳の「海馬(かいば)」は最も早く萎縮が現れる。海馬を中心とした脳の萎縮がどの程度起きているのかを計測できれば、現状の脳の健康度を評価でき、将来の認知症発症リスクを推定、リスクを下げるための生活習慣の改善策を示すことが可能となる。東北大学発のスタートアップ、コグスマートは、頭部のMRI画像のAI分析によりこうしたサービスを行っている。
特集 ひとりで生きる「老後戦略」

シニアに売りたいなら「3K不安を解消せよ」

シニアへ向けたビジネスのキーワードは「3K不安」です。3Kとは、シニアが特に感じている3つの不安「健康・経済・孤独」の頭文字をとったものでこれらを取り除く商品やサービスには大きなビジネスチャンスがあります。1つ目は健康への不安。年を取れば多くの医学データが示しているように体の不具合が増えてきます。2つ目は経済、つまりお金への不安。この2つはコインの裏表のような関係です。3つ目は孤独への不安。現役時代に自宅と職場との往復生活だった人が特に男性に多く、定年後に孤独になりがちです。一方、女性はご近所付き合いやママ友とおしゃべりを楽しむなど、孤独への備えが上手です。
台場一丁目商店街の外観

なぜ、「昭和」がテーマだと心地よいのか?

40代を過ぎるとノスタルジー消費という形態が見られる。現在40代以上の年齢層は昭和文化を「世代原体験」に持っている。昔なじんだ文化体験に触れると当時の記憶や経験した情動が呼び起こされ、若くて元気で幸せだった頃の自分を追体験する。これが脳内の「ドーパミン神経系」の活性化につながり、「元気」や「やる気」を生み出す。

意外なストレス解消・気分スッキリ商品

コロナ禍で「精神的ストレスを軽減する」などとうたった食品、サプリメントが市場に多数見られるようになった。GABAという神経伝達物質が機能性関与成分として含まれていることが多いが、GABAを口から摂取してもストレスは軽減できない。一方、罰系の特性をうまく利用して脳内のセロトニンの分泌を促すと「気分スッキリ商品」となる。お化け屋敷、バンジージャンプ、ジェットコースターなどの恐怖疑似体験がその例だ。

なぜ、後半生に他人の役に立ちたくなるのか?

高齢期になると多くの人は、誰かの役に立つことをしたくなる。その理由は金銭的報酬より、人から感謝されることで自分が幸福を感じるといった心理的報酬が好ましくなってくるからだ。ボランティア活動等の利他的活動をしている人は、していない人よりも健康状態が良く、幸福感が高いという研究結果もある。心理学者のフライによれば、幸福と感じている人は不幸と感じている人よりも約14%長生きすると推定されている。
NHK NEWS おはよう日本

「エイジテック」の解説でNHKおはよう日本に出演します

11月8日の7時台NHKおはよう日本に「エイジテック」の解説で出演します。エイジテック(Age Tech)とは直訳すれば「高齢者向け技術」です。高齢者の生活や健康をサポートする技術、超高齢社会の課題を解決する技術などの説明もよく見られます。今回の番組では、なぜいま、エイジテックが注目されているのか、エイジテック市場の広がりは国内外でどうなっているか、今後エイジテックはどのような方向に向かうのか、その社会的背景についてコメントしました。

高齢でも健康維持の秘訣

スマート・エイジング実現のためには「運動」「認知」「栄養」「社会性」の4条件が満たされる必要がある。だが現代社会はこれらを満たしにくい環境のため「4条件を意図的に満たす」生活スタイルが必要だ。課題は高齢になるにつれ自分の行動を変えることへの心理的障壁が高くなることだ。行動変容を促すためのいくつかの秘訣をお話しする。