村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「シニア消費」の記事一覧

シニア消費を促す仕組み

シニアの消費を促すためには、売る側の努力だけでは不十分です。商品・サービスを売る側の企業が年金以外の副収入を得る機会を提供すれば、可処分所得が増えるので消費が促されます。商品を売る側が意図的に自社の顧客に仕事の機会をつくることです。商品を売ることだけを考えるのではなく、商品を買う側が金銭的報酬だけでなく、社会とのつながりを得るなどさまざまな報酬を得られるビジネスのサイクルを考えることです。

歌声サロン・ライブビューイングで地方のシニアも元気に

カラオケ大手「まねきねこ」を運営するコシダカが「歌声サロン・ライブビューイング」というサービスを始めたところ、シニアに好評だ。歌声サロン主催者として年間5万人の動員実績をもつ音楽家の杉山公章氏とコラボし、昭和歌謡コンサートをライブ配信する。一般のライブビューイングでは会場からのライブ映像を全国各地の大型スクリーンのある上映会場に配信するが、このサービスではカラオケ店「まねきねこ」のパーティールームに配信する。各店舗で歌いたい曲のリクエストをすると杉山氏が取り上げてくれる。

ターゲットも機能も絞り込んで「不」を解消せよ

私は2004年に上梓した拙著「シニアビジネス」で「シニア市場とは多様性市場」と主張し続けてきた。ところが、これを聞いてあれもこれもとサービスを「てんこ盛り」にして商品の売りがぼけてしまう例が後を絶たない。シニア市場では、むしろターゲット客も商品機能も絞り込んだ方がうまくいく。最近の良い例がパソコン周辺機器メーカー、バッファローの「ラクレコ」だ。

「一人暮らし世帯特有」の価値を組み込む

社会の高齢化が進むと一人暮らし世帯が増える。この世帯が求める価値のキーワードは「小型(小口)」「軽量」「健康」「安心」「手軽」「高品質」だ。実は一人暮らし世帯でなくても、「一人で楽しみたい」というニーズもかなり存在する。クラブツーリズムが提供している「ひとり旅」は、そのような「一人で参加して楽しみたい人」向けの「おひとり参加限定」の旅行商品だ。

高まるフリマ熱、60代以上にも

フリマアプリの利用者といえば20代~30代の若者だと思われてきた。ところが、近年60歳以上のシニアの利用者がじわじわ増えている。ニッセイ基礎研究所の調査によると約1年で約4~5%増えている。なぜ、いま、フリマアプリがシニアの利用意欲を高めているのか。第一に不用品を処分でき、他人の役に立てる点、第二に自分で決めた価格で売却できる点、第三に社会とのつながりを感じられる点、第四に匿名配送で売買できる点だ。
特集 ひとりで生きる「老後戦略」

シニアに売りたいなら「3K不安を解消せよ」

シニアへ向けたビジネスのキーワードは「3K不安」です。3Kとは、シニアが特に感じている3つの不安「健康・経済・孤独」の頭文字をとったものでこれらを取り除く商品やサービスには大きなビジネスチャンスがあります。1つ目は健康への不安。年を取れば多くの医学データが示しているように体の不具合が増えてきます。2つ目は経済、つまりお金への不安。この2つはコインの裏表のような関係です。3つ目は孤独への不安。現役時代に自宅と職場との往復生活だった人が特に男性に多く、定年後に孤独になりがちです。一方、女性はご近所付き合いやママ友とおしゃべりを楽しむなど、孤独への備えが上手です。
CD楽曲をスマホにらくらく取り込めるラクレコ

CD楽曲、スマホに取り込む「ラクレコ」

シニア消費は多様性が強い。百貨店では高額品が売れる一方、スーパーでは1円でも安い商品が好まれる。一見つかみどころがないように見えるシニア消費のカギは、その人にとっての価値の「納得感」である。高額でも価値を納得すれば買うが、低額でも安っぽいだけのものは買わない。課題はいかにしてターゲット層の「納得感」をつかむかだ。最近の良い例がパソコン周辺機器メーカー、バッファローの「ラクレコ」だ。この商品はCDの楽曲を、パソコンを経由せずに簡単にスマホに取り込んで再生できる。21年6月の発売後、じわじわと人気を博し、22年1月時点で販売前想定の4倍程度の引き合いがあるとのことだ。

今後金融機関にとってシニアへのアプローチチャネルはどうなるか?

金融機関にとってシニアへのアプローチチャネルは今後どうなっていくか?答えは「対象者の条件で変わる」です。パソコンやスマホを問題なく使える人はリモートを好みます。ITリテラシーが低い人のうち、健康で時間に余裕のある人は来店を好みます。ITリテラシーが高い人でも、取引の重要度が高い場合は対面面談を好みます。シニアへのアプローチにこれ、という定番はないのです。