まねきねこ前橋本店

穴吹コミュニティ さーぱすねっと 人生100年時代のスマート・エイジング

株式会社穴吹コミュニティが運営する入居者専用「さーぱすねっと 人生100年時代のスマート・エイジング」に表題の小論が掲載されました。以下、その全文です。
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皆さんにお馴染みのカラオケには、いくつかの健康効果があります。本稿では一般にあまり知られていない、カラオケが私たちの行動に及ぼす影響について解説します。

1.カラオケがストレス改善になる脳科学的な理由とは

カラオケをやるとストレス改善になると感じる方も多いでしょう。しかし、なぜ、カラオケがストレス改善になるのかをご存じの方は少ないかもしれません。

以前、本コラムでテレビを視聴する時に、大脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)に「抑制」がかかり、脳活動が低下するとお話ししました(図1)。

実はカラオケを行う時にも前頭前野に抑制がかかることが東北大学の研究で明らかになっています。ここで重要なのは、抑制がかかる場合の前頭前野は「リラックス状態」にあることです。

このため、1日に2時間程度行うのであればリラックス効果によりストレス改善になります。一方、毎日長時間行うと脳活動が低下した状態が長くなるため、認知機能の衰えにつながるので要注意です。

2.カラオケ店は「退職者向けの第三の場所」になる

群馬県前橋市に住むKさん(65歳)は朝9時前に自宅を出ますが、行き先は会社ではありません。

自宅から車で10分ほどのカラオケ「まねきねこ」です。朝9時から開店しており、午前中はKさんのような退職者が大勢やってきます。

米国の社会学者、レイ・オルデンバーグは、1989年に自著「The Great Good Place」で、自宅(第一の場所)でも職場(第二の場所)でもない「第三の場所」が社会的に重要だと指摘しました。

この指摘にヒントを得て、私は2004年に拙著「シニアビジネス」で、社会の高齢化に伴い「退職者向けの第三の場所」が重要になると述べました(図2)。

理由は、多くのサラリーマンが退職すると「毎日定期的に行く所」がなくなるからです。

一方、退職者向けの第三の場所があると、毎日定期的に行動するようになります

すると、生活リズムができやすく、一日を有意義に過ごせるようになります。カラオケ「まねきねこ」は、「朝うた」という割引も導入し(図3)、退職者向けの第三の場所を後押ししています。

3.カラオケがノスタルジーを想起し、消費行動を促す

大手新聞社のニューヨーク・タイムズは、音楽配信サービスSpotifyのデータ分析から、利用者が最も再生しがちな楽曲は、概ね13歳~16歳の頃に聴いていた楽曲に由来することを明らかにしました(図4)。

この分析結果は、13歳から16歳までの間の楽曲体験が「世代原体験」(当該世代が20歳頃までに共通して体験する文化活動)になりやすいことを示しています。

世代原体験が影響する消費形態のうち、主に40代以降に現れるものを「ノスタルジー消費」と呼びます。

40代を過ぎると一般に生活が平板化して、若い頃のようなわくわくする機会は減りがちです。すると、その反動としてわくわく・ドキドキする刺激を求めるようになります。

この場合、求める刺激は「新しいもの」より「昔なじんだ安心できるもの」になる傾向があります。後者の方が追体験効果が出やすいためです。

カラオケで懐かしい曲を歌ったのがきっかけで、CDやレコードを買う(ダウンロードで買う)。その曲が主題歌だった映画を観たり、曲にちなんだ場所に旅行したりする。

こうした消費行動により、若くて元気で幸せだった頃の自分を追体験します。これが、脳のドーパミン系を活性化し、やる気やわくわく感につながるのです。

皆さんもぜひカラオケを健康増進に活用してみてください。