スマートシニア・ビジネスレビュー 2019年3月8日 Vol.228
群馬県南牧(なんもく)村が、住民の健康意識を高めてもらおうと、来年度から75歳以上の住民に「いきいき祝金」という奨励金を支給するそうです。
対象は介護保険の要介護や要支援の認定を受けていない住民で、年1回、75歳以上に5000円、85歳以上に1万円を支給。住民の3割近くにあたる約550人が支給の対象とのこと。
南牧村は、4年前の国勢調査で高齢化率が60.5%と全国の自治体の中でもトップクラスの高齢地域。「消滅可能性が最も高い村」の限界集落と名指しされ、一躍注目を浴びたところです。
長谷川最定村長は「元気に暮らしてもらうことが重要で、奨励金によって、健康だと良いことがあるという意識を高め、健康づくりに取り組んでもらえるようにしていきたい」と話しているとのこと。
私は2004年頃から、高齢者の三大不安は「健康不安」「経済不安」「孤独不安」と言い続けています。この三つはそれぞれ密接に関わり合っています。
経済不安になる理由は、病気になって入院し、重篤な病気で治療が長引けばお金がかかるからです。また、孤独不安になる理由は、健康を害し外出しづらくなるとほかの人とのコミュニケーションが減るからです。
したがって、人生の後半期にはこの三つのうち特に「健康不安」をいかに解消するかが重要です。歳をとっても心身が健康ならば多大な医療費や介護費は不要となります。これがスマート・エイジングの目指すところの一つです。
南牧村の取り組みは、これから他の自治体でも間違いなく増えていくでしょう。
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