月刊アイ・エム・プレス 2013年4月号
本誌3月号の特集のインタビューにもご登場いただいた、村田アソシエイツ代表村田裕之氏の近著。15年前からシニアビジネスの全画・立ち上げ・支援を実践してきた経験をベースに、数多くの事例と最新データを交えながら、シニア・マーケットの現状と未来について解説する。
シニアシフトとは、人口動態、そして企業の顧客ターゲットが、若者中心から高齢者中心へとシフトすることだが、この流れは加速化する一方。これをまだビジネスに生かしていないとすれば、みすみすビジネスチャンスを逃していることであり、今すぐアクションをとるべきだと促す。
シニアビジネスに参入したものの苦戦している企業の多くが見逃しているのが、シニア市場の多様性。シニア層の場合、消費行動の引き金になる変化の種類が多く、なおかつ、その変化が訪れるタイミングが人によって異なっているため、マスマーケティング手法が通用しにくいのだという。
この個人としての変化と同時に、注意しなければならないのは、社会環境の変化だ。例えばシニア層のネット利用率。ITを使いこなすスマートシニアの増加によって、シニア市場も「買い手市場」になり、従来の売り手の論理は通用しなくなると著者は指摘する。
シニアの消費行動を活性化するために、まずこの本を手に取ってみてはいかがだろうか。