スマートシニア・ビジネスレビュー 2022年4月26日 Vol.233
「存命中の世界最高齢」記録保持者、田中 カ子さん亡くなる
ギネスワールドレコーズ(英国)から「存命中の世界最高齢」に認定されていた福岡市東区の田中 カ子さん(119歳)が、19日に同市内の病院で亡くなっていたことが報じられました。
田中さんは大還暦(だいかんれき)の120歳まで生きることを目標にしていたとのこと。今月に還暦を迎えたばかりの私には大還暦まで生きるなど想像もつきません。
世界最高齢記録はフランス人女性による122歳164日
ギネス公認の世界最高齢記録保持者はフランス人女性のジャンヌ・ルイーズ・カルマンさんで、122歳164日まで生きたという記録があります。
彼女は1875年にフランスで生まれ、1997年4月4日に亡くなりました。現在のような社会の高齢化が進んだ以前の19世紀、20世紀での記録なので希少と言えます。
とはいえ120年以上も生きる場合、気になるのは「どのようにして生計を立てていたのか」ではないでしょうか。
私と翻訳家の竹林正子さんによる訳書「いくつになっても脳は若返る」(ダイヤモンド社)に次の記載があります。
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彼女は九〇歳の時、生涯年金を得るために、当時四七歳の弁護士、フランソワ・ラフレイに自宅マンションを売却し、フランスでは一般的な「ビアジェ」という契約を結びました。
これはアメリカでいう「リバースモーゲージ」のことです。ラフレイは彼女が亡くなるまで、月額で購入代金を支払うことに同意しました。その時のマンションの価値は、一〇年分の支払い額に相当していたのです。
ラフレイにとっては不運なことに、カルマン夫人はそれから三〇年以上も長生きし、しかも彼の方が七七歳で先に逝ってしまったのです。ラフレイの妻が月々の支払を引き継ぎ、カルマン夫人はその収入に頼って生活することになりました。
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リバースモーゲージは日本でも近年ようやく利用者が少しずつ増えてきましたが、カルマンさんが契約したのは何と1965年!57年も前にすでにリバースモーゲージを利用していたというのは驚きです。
人生100年時代に必要なのは、健康はもちろんのこと、生計を立てるためのお金であることを改めて実感します。
全米で大きな話題を呼んだMature Mindの翻訳本。最先端の脳研究成果から中年期以降の人の知的能力の発達にどのような意味があるのかを洞察し、退職者のリタイア後の有意義な生活や創造性を発揮するライフスタイルの提案まである啓蒙書。