村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「ヘルスケア」の記事一覧

シニアの健康管理で重要な計測項目とは?

スマートフォンを活用したシニア向けヘルスケアアプリが多く登場している。体組成計やスマートウォッチとの連携によるサービス提案も多い。だが、介護予防を目的とする場合、こうしたアプリでできることはごく一部に限られている。シニアを対象とした健康管理には血圧管理と定期的な血液検査が不可欠だ。ヘルスケアアプリは多くの機能をそろえ、健康管理に有用だと謳っている。だが、最も重要な介護予防の観点ではできることはごく一部。誇大広告に惑わされないようにしよう。

シニアの特性を踏まえたヘルスケアビジネス

私は2011年と2012年に中部経済産業局からのご依頼で、新ヘルスケア産業創出懇談会の委員を務めました。私の記憶では、この委員会ができるまでヘルスケア産業と言えば医療や介護のことで厚生労働省の管轄でした。当時、厚生労働省の高齢者政策は、高齢者を社会的弱者とみなし、いかに保護するかという観点が主流で「アクティブシニアビジネス」というと、高齢者をだまして金をふんだくるようなイメージを持たれていました。そこにシニア市場を成長市場と位置付けて、産業振興のけん引役にできないかというのが、「新ヘルスケア産業」という考え方でした。現在、経済産業省にヘルスケア産業課ができたのは、9年前のこの委員会が基になっています。

日本人プレゼンターがもっと受賞するために何が必要か?

アジア太平洋高齢者ケア革新アワード(6th Asia Pacific Eldercare Innovation Awards)の授賞式が開催され2社が部門最優秀賞を受賞しました。従来、日本企業のプレゼンは、運営している高齢者住宅や介護施設の「内容力」で優っており、これで評価される傾向にありました。つまり、言葉のハンデを内容でカバーできたのです。しかし、これからは日本企業がこのアワードで受賞するには「内容力」だけでなく「英語による適切なプレゼン力」が不可欠となったことを改めて感じました。印象に残ったプレゼンの共通点は(1)相手の立場でわかりやすい説明をしていること、(2)相手にこの商品の優れた点を何としても伝えたいという強い熱意を行動に示していることです。