2014年7月5日 Excite アドバンスニュース ピックアップコラム
超高齢社会に向かう日本人の消費構造は大きく変化しつつあり、中でも多くの企業がシニアビジネスに食指を動かしている。「シニア消費は企業を救う」とばかりに、さまざまな商品やサービスが登場しているが、成功例は意外に少ない。本書を読むとその理由がわかる。
本書は第1章「シニアの消費行動はいかにして起きるか?」以下、全8章で構成。ビジネスチャンスの見つけ方、シニアのニーズ把握法、シニア心理を踏まえた商品開発など、具体的な成功事例、失敗事例を交えて解説している。
著者は数々のシニアビジネスを成功に導いてきた第一人者。企業のコンサルティングを通じ、この分野のビジネスを体系化した指南書がないことを痛感、それが執筆の動機になったという。多くの企業が陥りがちなマーケティングの誤りと正しい見方を網羅している。
例えば、660万人を超える団塊の世代(昭和22~24年生まれ)は企業にとってはビジネスチャンスの「塊(かたまり)」だが、この世代は個性的な消費行動が身についているため、画一的な商品、サービスにはまず乗って来ない。すでに大きな「塊」は崩れ、多様なミクロ市場の集合体である「団“壊”の世代」になっていることを前提にしないと、まず失敗するという。
このほか、「シニア層は他の年代より金持ち」「シニア層の消費は『年齢』で決まる」などは俗説に過ぎないといい、目からウロコの解説が多い。高齢者ビジネスを考えている企業のみなさまは、本書で頭をシャッフルすることをお勧めします。(のり)
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