介護保険に依存しない、高齢者ビジネス成功の秘訣

8月24日 高齢者住宅フォーラム

これからは投入した介護報酬額に相応しい成果が求められていく

8月24日、東京・八重洲で開催の高齢者住宅フォーラムで講演することになりました。

このフォーラムは、高齢者住宅新聞社が主催で診療報酬改定・介護報酬改定の影響や今後の事業展望、介護施設運営のポイント、高齢者住宅・有料老人ホームマーケット動向、人材活用法などについて業界の有識者、専門家が講演するものです。

今回のテーマは「介護保険に依存しない、高齢者ビジネス成功の秘訣」。昨年から高齢者住宅新聞で連載しているテーマとほぼ同じです。

昨年4月の介護保険制度改正で介護報酬が減額になり、保険制度にべったり依存した事業はその先行きが危ぶまれています。わが国では総人口の減少と人口動態のシニアシフトが今後も進むと予想されることから、限られた財源をいかに効率良く運用するかが求められます。

つまり、従来福祉や社会的弱者救済の美名のもとに甘く見過ごされていた特養や小規模デイなどの事業は、投入した介護報酬額に相応しい成果が厳しく求められていくことになります。

これらを踏まえると、今後介護事業者は、①国の求める方向性にくらいつき、介護報酬を得て事業を経営する、②介護保険制度に依存しない事業を開拓する、のいずれかを選択する必要があります。私の役割は②のためのヒントをお伝えすることにあります。

介護保険に頼らないシニアビジネス市場の有望性

内閣府の平成26年版高齢社会白書によれば、要介護者等認定者数は平成24(2012)年度末で545.7万人、同年10月現在で65歳以上の人口は3079万人。

これより65歳以上の人口の82.3%、2533万人がまだ介護を要しない人数となります。つまり、人数で見れば要介護者の約5倍の市場が存在します。

さらに海外に目を向けるとシニア市場が拡大していることがわかります。特にアジア各国で高齢化が進み、高齢先進国・日本への関心がここ数年急速に高まっているからです。

一方、アジア各国では韓国を除いて日本のような公的介護保険制度は存在しません。ということは、アジアでのシニア市場で日本の事業者が優位に立つためには、介護保険制度に依存しないビジネスモデルが不可欠なのです。

介護保険に頼らないシニアビジネスの重要性はこの理由からも明らかでしょう。