スマートシニア・ビジネスレビュー 2012年1月20日 Vol.173
「タニタ社員食堂」担当栄養士監修と
クレジットのついた弁当が届きました。
パッケージ表面には「371kcal、食塩相当量 1.7g」と書かれたラベル。
私は油断するとすぐ太るのでカロリー制限するようにしています。
そのことを知っていたスタッフが気を利かして買ってきてくれたのです。
この弁当はコンビニではナチュラルローソンだけにあるようです。
本レビューでも取り上げた丸の内タニタ食堂が評判のようですが、
そこでの売りは社員食堂レシピ本を監修した栄養士さん。
この弁当の売りも同じです。
主菜は「厚揚げのピリ辛きのこあんかけ」。
副菜にごぼうとちくわ、ニンジンの和え物、サツマイモの甘酢煮。
ご飯は五穀米。ヘルシーな雰囲気が前面に出たメニューです。
さて、食べてみると、うーん、ちょっと味が薄い・・・。
そう感じたすぐ後に、ピリッと辛い後味がする。
なるほど、このピリ辛で、ヘルシーだが味気ないと思わせない。
そんな工夫を感じました。
この昼食のカロリーは弁当371kcal+豚汁84kcal、計451kcal。
私の目標の1食500 kcalを大きく下回りました。
そこで、ふと、面白いことに気が付きました。
私がナチュラルローソンでよく買う幕の内弁当は、
今日の弁当より遥かに多くのおかずが入っているのに398円。
一方、タニタ弁当は量も少ないのに498円。
何と100円単価が高いのです。
スーパーなどで売られている冷凍食品は、
売価が300円くらいのものだと、
メーカーの利益は1円程度しかない、と言われています。
こうした厳しい小売りの世界で
販売単価が100円高いというのは
実は凄いことなのです。
しかも、使っている材料も明らかに少ないので、
製造コストも幕の内より小さいでしょう。
コストが下がって、かつ高く売れるタニタ弁当。
こうした商品が売れる背景は、量が多いという価値ではなく、
量が少なくても、健康によく、食べた後の納得感がある、
という価値を求める人が増えてきたことにあります。
時代のトレンドを読み、多くの制約のなかで
最大限の納得感を引き出す工夫。
工夫する知恵さえ出せば、
まだまだ新商品はいくらでも開発できる。
そのことを、弁当を通じて改めて感じた次第です。