介護保険に頼らないシニアビジネス市場の有望性

10月26日 株式会社ツクイ講演会

いま、多くの介護事業者が介護保険外のシニアビジネスを模索しています。背景は、3年に一度の介護保険制度改正で介護報酬が減額になり、保険制度にべったり依存した事業はその先行きが危ぶまれているからです。

日本では総人口の減少と人口動態のシニアシフトが今後も進むことから、限られた財源をいかに効率良く運用するかが求められています。つまり、これまで社会的弱者救済の美名のもとに甘く見過ごされていた介護保険事業は、今後は投入した介護報酬額に相応しい成果が求められていくでしょう。

今後介護事業者は、①国の求める方向性にくらいつき、介護報酬を得て事業を経営する、②介護保険制度に依存しない事業を開拓する、のいずれかを選択する必要があります。

後者に関して、介護保険に頼らないシニアビジネス市場の有望性はどうでしょうか。内閣府の平成30年版高齢社会白書によれば、要介護者等認定者数は平成27(2015)年度末で606.8万人、同年10月現在で65歳以上の人口は3,515万人。

これより65歳以上の人口の2,909万人、82.7%がまだ介護を必要としません。つまり、人数で見れば要介護者の約5倍の市場が存在します。

さらに、海外でもシニア市場が拡大しています。特にアジア各国で高齢化が進み、高齢先進国・日本への関心が急速に高まっています。先週東京で開催されたHCR(国際福祉機器展)にはこれまでで最高人数の外国人が訪れていました。

一方、アジア各国では韓国を除いて日本のような公的介護保険制度は存在しません。ということは、アジアのシニア市場で日本の事業者が優位に立つためには、介護保険制度に依存しないビジネスモデルが不可欠です。介護保険に頼らないシニアビジネスの重要性はこの理由からも明らかでしょう。

介護事業者大手の株式会社ツクイでお話することになりました。講演テーマは「超高齢社会をビジネスチャンスにする“秘訣”」です。

成功するシニアビジネスの教科書
株式会社ツクイ