退職後の夢実現消費の例

10月5日 クラブツーリズム 旅と人生を楽しむ スマート・エイジング術

認知症発症以前に脳の萎縮が進んでいる

世の中がコロナ禍一色になっても、社会の高齢化は止まらず、認知症人口は増え続けています。むしろコロナ禍による外出自粛の影響で一段と増加していると予想されます。

一般に認知症と診断されるのは、徘徊などの周辺症状が進み、困った家族が病院に連れて行き、医師から診断を下された時です。

実は、この時点よりかなり前の段階で脳の萎縮(いしゅく)が進んでいる場合が多いのです。脳の萎縮とは、脳の神経細胞やこれらをつなぐ神経線維などが脱落し、脳体積が減少することです。

病院やクリニックで脳のMRI写真を撮った時、脳の真ん中あたりに空洞(実際は脳髄液が入っています)が見られますが、脳が萎縮した結果、生じたものです。

この萎縮が進むと認知機能の低下が起こり、認知症になっていきます。脳の萎縮は一般に加齢と共に進みます。加えて、喫煙、飲酒、肥満、動脈硬化などが促進要因となることがわかっています。

一方、1日30分程度の有酸素運動(ウォーキングなど)や社会と関わって他人とのコミュニケーションが多い生活習慣をもつことが萎縮を抑制する要因となります。

知的好奇心が旺盛だと脳の萎縮を抑える

加えて、脳機能画像研究の第一人者、東北大学の瀧靖之教授によれば、知的好奇心が旺盛なほど、脳の萎縮を抑えることがわかっています。

知的好奇心が旺盛な人の脳を調べると、海馬、腹側被蓋野、側坐核、中脳黒質といった部位の活動が高まっていることがわかっています。

海馬は新しい記憶を司る中枢であり、他の3つは「元気」や「やる気」を感じさせる「報酬系」という神経ネットワークの中枢です。

興味深いのは、知的好奇心が湧く活動に対してはモチベーションも上がり、記憶の定着が良くなることです。

記憶は特定の神経細胞のネットワークに存在するので、記憶の定着が良くなれば神経細胞の脱落が起こりにくくなり、萎縮が抑えられるというわけです。

50歳を過ぎると特徴的な消費行動が目立ってくる

川崎市に住む山本次郎さん(56歳)は、4年前から学生時代にやっていたギターに再び取り組み始めました。学生時代の仲間と音楽バンドを再結成したためです。

30年余りのブランクのため、当初は指の動きもぎこちなかったのですが、徐々に昔の勘を取り戻し、最近は演奏会で披露できるほどになりました。

宇都宮市に住む近藤弘明さん(57歳)は3年前からドローンを始めました。子供の頃、ラジコンが大好きでしたが、当時は家が貧しく、近所の裕福な子供が扱う飛行機のラジコンをじっと眺めて我慢していました。(私もそうでした!)

両親の介護も子育ても一段落した今、夢だったラジコンの現代版、ドローンを手に入れて、ようやく当時の夢を実現したのです。

「自己復活消費」「夢実現消費」が知的好奇心を旺盛にする

山本さんのように昔やっていたことにもう一度取り組み、自分らしさを取り戻そうとする消費を「自己復活消費」、近藤さんのように昔は経済的に実現できなかった夢を今実現する消費を「夢実現消費」と私は呼んでいます。

実はこうした消費形態は次の理由から50代以降に多く見られます。

まず、50代は20代・30代に比べて経済的に余裕ができます。年齢別の年間所得の面では50代が最も大きいからです。

一方、50代になると老眼など感覚器の衰えもあり、新しいことに取り組むのがおっくうになってきます。

すると、昔慣れ親しんでいたことや、自分が好きでやりたかったことの方が取り組みやすくなるのです。慣れていること、好きなことだから続けやすいことも理由です。

以上より言えることは、50歳を過ぎて趣味に取り組みたくなったら、迷わずどんどんやるのがよいのです。これは認知症予防の観点からもよいです。

コロナ渦により家で過ごす時間、いわゆる「おうち時間」が長くなった人が多いと思います。通勤時間が減り、浮いた時間はダラダラ過ごさず、運動も含めて趣味の時間にあてることをお勧めします。

一方、まだ趣味に取り組んでいない人は早めにテーマを探すことをお勧めします。コロナ禍が落ち着けば、クラブツーリズムが主催する「新・クラブ1000構想」に沿った様々なクラブ活動への参加も自分のテーマ探しに有用でしょう。

クラブツーリズム【クラブ1000】趣味を楽しむコミュニティサイト

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