2012年7月20日 仙台フィンランド健康福祉センターwellbeing研究会
一つの新しい商品・サービス市場が立ち上がると、その商品・サービスに満足しない顧客が必ず出現します。これは多様な価値観をもつシニアは、限られた商品・サービスではカバーしきれない多様なニーズをもっているからです。
累計2000万台以上売れたシニア向け携帯電話らくらくホンも、初期モデルでは、字が大きくて見やすい、文字盤が大きくて押しやすい、音声が明瞭で聴きやすいことが売れた理由でした。
しかし、機能的には素晴らしいものの、製品デザインがやぼったく、それを持っていると「ジジイ臭い、ババア臭い」と言われるため、買うのに抵抗を持つ人も多かったのです。
このようにある人たちは満足していても、他の人たちは満足していないことはしばしばあります。モノが売れないのは市場が飽和したからだ、という言い方は昔からよく聞かれます。しかし、これは必ずしも正しい見方ではありません。
一見、市場が飽和しているように見えても、実は既存の市場=商品・サービスに対して何らかの「不(不安・不満・不便)」をもっている人は意外に多いものです。したがって、こうした人たちの「不」の内容を具体的に突き止め、それらの「不」を解消する商品・サービスを提供すれば新たなビジネスになりやすいのです。
これから有望なシニア市場の一つは、『ユーザー側の何かが変化しているにもかかわらず、旧態依然とした「不」が多い市場』なのです。今回の講演では、その内容を詳しくお話しします。
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