スマートシニア・ビジネスレビュー 2016年5月8日 Vol.218
4月25日にシンガポールで開催された
第4回Eldercare Innovation Awardsの
「ファイナリスト・プレゼンテーション」に審査員として参加しました。
今回のAwardsの審査では、
<最優秀ウェルネスプログラム>など
13の部門別に評価基準がありました。
8か国の審査員は提出された書類に基づき、
評価基準の達成度を事前に評価しました。
審査員は、この事前評価を基に
ファイナリスト・プレゼンを聴いたうえで、
最終評価するという手順です。
今回、このファイナリスト・プレゼンで、
1件5分の英語のプレゼンを
61件審査するという稀有な体験をしました。
1件5分だとさぞ短いイメージがありますが、
これが61件となるとプレゼンだけでも5時間超。
さらにプレゼンターの入れ替えと休憩時間を含み、
10:45から18:15まで延べ7時間半の長丁場。
最後の1時間は我慢大会の様相を呈していました。
さて、61件ものプレゼンを一気に拝聴して感じたのは、
こうしたプレゼンは「5分あれば十分」だということです。
つまり、5分という時間はきちんと整理すれば、
重要なメッセージを伝えるのに十分な時間
であることがよくわかったのです。
もう一つ感じたことは、
同じ5分のプレゼンでもプレゼンターによって
「こうも違うものか」というほど差があることでした。
印象に残るプレゼン、残らないプレゼン。
この差は、一体、どこから来るのか?
それを考えていたところ、先日テレビで中継していた
「体操NHK杯」を観ていて、ふと気が付きました。
体操の場合、高得点が出る場合と出ない場合の差は、
一つ一つの技の『達成度』と動作の『キレ』にある。
ファイナリスト・プレゼンにおいても、
5分間のプレゼンの『キレ』で、
評価基準の達成度への理解が深まったのは
間違いありません。
ここで言うプレゼンの「キレ」とは、
プレゼンターの言葉の力と語り口とで
醸し出される「リズム感のシャープさ」です。
実際、審査の場で私以外の審査員が
5分間のプレゼン後、評価を変えていた場面を
何度も目の当たりにしました。
たった5分、されど5分。
この一瞬にかけるという思いを凝縮し、
どれだけ具体的な行動として表現できるか。
プレゼンテーションの基本の心得を
再確認した海外出張となりました。
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なお、日本企業では次の皆さんが最優秀賞を受賞しました。
<年間最優秀施設(介護施設部門)>
オリックス・リビング株式会社/グッドタイム リビング なかもず
<最優秀在宅医療介護事業者>
医療法人社団 悠翔会
<最優秀生産性革新事例>
医療法人社団 悠翔会/NEXT-PLATFORM
<最優秀リハビリテーション事業者>
株式会社キャピタルメディカ/アップルウッド西大寺
<最優秀ウェルネスプログラム>
仙台放送/ペッパーによるいきいき脳体操
また、日本セイフティー株式会社のポータブルトイレ「ラップポン」のシンガポール販売代理店Healthcare Matters Pte. Ltdが<最優秀エイジング・イン・プレイス支援商品>を受賞しています。
第4回Eldercare Innovation Awards審査結果(英語)