村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「AAIF」の記事一覧

Ageing Asia Alliance Cocktail

次の世代の可能性を感じたAgeing Asiaイベント

当日は、医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長の呼びかけのもと、全国中から集まった50名以上の皆さんと楽しい時間を過ごすことができました。今回、今年の何人かのアワード受賞者の発表を聞き、名刺交換での対話を通じて感じたのは、「若い世代の本格的台頭と今後の活躍の可能性」への期待です。過去の受賞者の多くは、シンガポールでのイベント参加がきっかけで、その後の歩みが大きく変わっています。今後も若い世代の皆さんに、自分の事業の意義や目的を見直すきっかけとして、また自分のやっていることや日本の介護の素晴らしさを伝える伝道師として参加してもらえたらよいと思います。

オンライン審査で感じた「オンリーワン」の重要性

シンガポールで第9回Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsのセレモニーが開催され部門別の優秀企業が発表されました。私はこのアワード創設以来、審査員を務めていますが、今回は次の5部門で日本企業が受賞しました。背景には1)オンラインでの審査のため、資料をわかりやすく、効果的に作成すること、2)外国のパートナー企業と組んでノミネートすること、で言葉のハンデを減らしたことが挙げられます。他方、コロナ禍によるオンライン化により、オーストラリアをはじめとする英語圏の事業者のノミネートが増え、日本企業の優位性が出しにくい状況になりつつあります。今後の受賞のためには、これまで以上に他の事業者にはない「オンリーワン」の差異化が求められることでしょう。

高齢化が進むアジアと日本の事業者が進むべき道

シンガポールのMarina Bay Sandsで第10回エイジング・アジア革新フォーラム(Ageing Asia Innovation Forum: AAIF)と第7回アジア太平洋高齢者ケア革新アワード(Asia Pacific Eldercare Innovation Awards)の授賞式が開催されます。この8年間で拙著「シニアシフトの衝撃」で予言した通り、シニアシフトの動きがアジアや多くの国々に広がってきたことを強く実感します。一方、あまり変わっていないのは、他国に比べて日本企業の参加が少ないことです。多くの事業者が公的介護保険に収入を依存する事業構造のため、海外進出する必要性を感じないためです。一方、明るい兆しは、若い世代が少しずつチャレンジしつつあることです。今後はさらに若い世代の人たちにも、世界を俯瞰するきっかけとして参加してもらえたらよいと思います。

日本人プレゼンターがもっと受賞するために何が必要か?

アジア太平洋高齢者ケア革新アワード(6th Asia Pacific Eldercare Innovation Awards)の授賞式が開催され2社が部門最優秀賞を受賞しました。従来、日本企業のプレゼンは、運営している高齢者住宅や介護施設の「内容力」で優っており、これで評価される傾向にありました。つまり、言葉のハンデを内容でカバーできたのです。しかし、これからは日本企業がこのアワードで受賞するには「内容力」だけでなく「英語による適切なプレゼン力」が不可欠となったことを改めて感じました。印象に残ったプレゼンの共通点は(1)相手の立場でわかりやすい説明をしていること、(2)相手にこの商品の優れた点を何としても伝えたいという強い熱意を行動に示していることです。

アジア太平洋の「グローバル・エイジング・インフルエンサー」に選ばれました!

「グローバル・エイジング・インフルエンサー(GLOBAL AGEING INFLUENCERS)」に日本からオリックスリビング株式会社の森川悦明社長、医療法人社団 悠翔会の佐々木淳理事長、私・村田が選ばれました。「グローバル・エイジング・インフルエンサー」とは「アジア太平洋地域での高齢社会対策に影響を及ぼした優れた業績を上げた人」というものです。国内のみに目を向きがちな高齢者ケアの分野ですが、日本がリードできる数少ない分野であり、世界に向けてリーダーシップを発揮することがますます求められている。そのことを改めて感じました。