アカデミー賞2015に日本のドキュメンタリーが初めてエントリー

2019年2月25日 村田裕之の活動

日本時間で本日10:00から米国アカデミー賞の授賞式があります。個人的には作品賞では「ボヘミアン・ラプソディ」、外国語映画賞では久々の日本作品「万引き家族」に受賞してほしいと思います。

実は、私が関わった映画が2015年のアカデミー賞にノミネートされたことがありました。それは「僕がジョンと呼ばれるまで」(原題:Do You Know What My Name Is? Bring back the light)。エントリーされたのは「長編ドキュメンタリー部門」。日本のドキュメンタリー映画がエントリーされたのは初めてとのことでした。

この映画は、私が在籍する東北大学スマート・エイジング国際共同研究センター(当時:現 学際重点研究センター)の全面的支援で実現した対認知症療法「学習療法」のアメリカでの導入の物語です。

アメリカの介護施設に住むお年寄りが、「学習療法」によって症状が改善し、失いかけた家族との絆を取り戻す様子を描いたものです。

サブタイトルにある“Bring back the light”とは、「光を取り戻す」という意味。このサブタイトルを聞くと、当初アメリカでの導入活動で悪戦苦闘した頃のことを思い出します。

その後、認知症をテーマにした多くの映画が登場しましたが、日本発の対認知症療法がアメリカ人の認知症の方とその家族に大きな希望を与えた物語が、アカデミー賞にノミネートされたという点でその功績は少なくないと思います。

この学習療法にまつわる話は、新著「スマート・エイジング 人生100年時代を生き抜く10の秘訣」の「秘訣その3 脳トレをする」「秘訣その9 他人(ひと)の役に立つことをする」に詳細を述べました。ご興味のある方はご一読下さい。

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