スマートシニア・ビジネスレビュー 2013年6月5日 Vol.194
「G.G世代」でなく「グランド世代」「ジェネレーションG」と呼ぶのが妥当
5月31日放送のTBSテレビ「ひるおび」では、イオングループが注力している「グランド・ジェネレーション」が題材として取り上げられていました。
ただし、この「グランド・ジェネレーション」を「G.G世代」と呼んでいることに違和感があります。番組でも「G.Gって“ジジイ”みたい」との声が多くの人たちから挙がっていました。
この意味でも違和感はあるのですが、私が感じるのは単純に言語の「文法」としての違和感です。
G.GとはGrand Generationの略であり、Generationは世代と言う意味です。したがって、「G.G世代」と呼ぶと「グランド・世代・世代」となり、馬から落ちて落馬する、と同様の重言になってしまうのです。
グランド=Grandには「最上級」という意味があり、これを強調するのであれば「G.G世代」でなく「グランド世代」と呼ぶのが妥当でしょう。
あるいは、以前流行った「ジェネレーションX」「ジェネレーションY」にならって、「ジェネレーションG」と呼ぶのもありでしょう。
ただし、これだと「グランド」の意味が薄れるデメリットがあります。せっかく「グランド」という良い意味を訴求するのであれば、「G.G世代」といった表現は改善するべきでしょう。
ある特定の年齢層を「○○世代」と区切る場合は注意が必要
一方、別の観点で「G.G世代」について言えば、ある特定の年齢層を「○○世代」と区切る場合は、注意が必要だということです。
その理由は、「○○世代」には、必ず「世代原体験」とも呼ぶ当該年齢層に共通の文化体験を持っているからです。
例えば、「団塊世代」であれば、カレッジフォークやグループサウンズなどのアメリカ文化体験が該当します。また、団塊世代より上の「焼け跡世代」(1935年1月1日から1946年12月31日生、現在67歳~78歳)では、学童疎開や国民学校、闇市といった文化体験がほぼ共通にあります。
世代原体験はおおむね20歳頃までの文化体験であり、世代特有の嗜好性に基づく消費行動の多くは、こうした世代原体験に影響を受けています。
翻って、「G.G世代」には、どのような世代原体験があるのでしょうか?あいにく私にはそれが見えません。
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