村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「未来展望」の記事一覧

ソーシャルメディアが広げるシニアと若者との協働可能性

ネット技術の進化は、本人の知恵を「賢く社会に貢献するシニア」という新たなスマートシニア像を生み出しつつある。アメリカ・ロスアンジェルス在住の94歳の女性、バーバラ・クーパーさんによる「Ask Grandma Anything(おばあちゃんの人生相談)」がその一例である。多くの若者が何度もアクセスしているのは、単に知識としての助言を求めているだけでないようだ。

「年の功」の科学的裏付け

スマートシニア・ビジネスレビュー 2011年8月8日 Vol.159 長い間、成人を過ぎると脳は衰えていく一方だと言われてきた。世の中には未だにそう思っている人も多いようだ。   だが、最近の脳の研究により、年 […]

高齢者になっても働きたい理由

スマートシニア・ビジネスレビュー 2010年7月12日 Vol.142 先週、独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した「高年齢者の雇用・就業の実態に関する調査」によれば、「65歳以上まで働きたい」という人が、全体の5 […]

映画「サロゲート」が示唆する超高齢社会の一面

サロゲートとは、自宅に居ながら操作できる人間そっくりの代理ロボットのこと。サロゲートはロボットであるため病気をしない。齢をとらないので老いることもなく、いつまでも若々しい外見を保つことができる。サロゲート社会は、病気や老い、人間関係の煩わしさなど人間にとって都合の悪いこと全てを代理ロボットに委ねられる「便利で快適で安全な」社会だ。だが、こうした社会は本当に素晴らしい社会なのだろうか。

便利な時代の不便さ

物事は何かが便利になると、何かが失われるようになっている。かつて、フランスに留学していた頃、まだ電子メールはなかった。自費留学の貧乏学生の身にとって国際電話はあまりにも高価で日本にかける時には覚悟が必要だった。そんな頃、片道一週間かかって届く直筆の手紙が、異国での孤独な生活に萎えそうな自分にとって何よりの癒しとなった。便利になることは、かつて日常的に存在した苦労する機会が少なくなること。便利な時代とは、苦労する方法を探すことに苦労する「不便な」時代なのかもしれない。