親の介護―老人ホームを探す①

解脱10月号 連載 スマート・エイジングのすすめ 第13回

解脱会_掲載_160104ある日、突然やってくる老親の介護

親が70歳を過ぎたら元気なうちにやるべきことは、親が将来、要介護や寝たきりになったときにどこに住むか、そのための情報収集を始めることです。

こういう話を40代、50代の人にすると、「ウチの親はまだ元気だから、そのときになったら考えればいいですよね」、「そんなことは、親が勝手に決めればいいことでしょう」などといった反応が返ってきます。

ところが、現実にはそれでは済まないのです。なぜなら、元気だと思っていた親が突然、病気や事故で入院し、要介護や寝たきり状態になると、あなたの生活が激変する可能性が大きいからです。

たとえば、もし、あなたが東京で仕事をし、首都圏に家を持って家族と生活している場合、故郷の山形で一人暮らしをしているあなたの母親が脳卒中で突然倒れ、要介護状態になったら、どうなるでしょうか。親が倒れた瞬間は、会社はとりあえず数日の有給休暇を取らせてくれるでしょう。

しかし、それ以降も要介護状態が続いたとして、勤務先で重要な役割を担っているあなたは、毎週有給休暇を取れるでしょうか? 毎週末に、あなたが山形まで通うことが業務の障害になりませんか?あなたが通えない場合は、奥さんに代わりに通ってもらえるでしょうか?どちらが通うにしても時間的・経済的に、そして精神的にも大きな負担となります。

寝たきりになったら、半数の人が3年以上寝たきり

これが短期間なら、まだ何とか対応できますが、実際にはあなたが思っている以上に長期間にわたることが多いのです。日本では、要介護状態になってから亡くなるまでの期間が3年以上に及ぶ人が6割、5年以上の人も4割います。

親からの知らせは、ある日突然やってきます。そして、いったん要介護状態になると、長期戦になります。突然の想定外の知らせにうろたえなくて済むように、親が元気なうちに備えておくことが必要なのです。

老人ホーム・介護施設の分類

ここで老人ホームなどの一般にわかりにくい言葉の定義をしておきます。厚労省の定義によれば、老人ホームと名のつくものは、次に示す(1)から(4)の四種類あります。

解脱会_表紙_160104(1)有料老人ホーム(介護付、住宅型、健康型)
(2)特別養護老人ホーム
(3)養護老人ホーム
(4)軽費老人ホーム(A型、B型、ケアハウス)

一方、厚労省の定義により、介護保険サービスが提供される「介護保険施設」は、次の三つです。

(5)介護老人福祉施設(特別養護老人ホームのこと)
(6)介護老人保健施設
(7)介護療養型医療施設

さらに、次の二つでも介護保険サービスが提供されます。

(8)介護付有料老人ホーム(介護保険サービス名称は特定施設入居者生活介護で、分類上は施設サービスではなく居宅サービス)
(9)グループホーム(介護保険サービス名称は認知症対応型共同生活介護で、分類上は施設サービスではなく地域密着型サービス)

ここで、「特定施設入居者生活介護」とは、介護保険法第8条11項に定められた介護サービスの種類の名称です。

(5)から(9)が一般に「介護施設」と呼ばれます。なお、(2)と(5)は同じものですが、(2)は老人福祉法上の老人福祉施設としての名称であり、(5)は介護保険法上の介護保険施設としての名称なのです。

また、2011年以降新設され、近年増加している「サービス付き高齢者向け住宅」も選択肢の一つになっています。これは国土交通省が主管している高齢者向けの賃貸住宅です。

親が70歳を過ぎたら読む本

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