アメリカ大手企業のシニアビジネス失敗談

スマートシニア・ビジネスレビュー 20121018Vol.182

sunrise-senior-living火曜日からRetirement Communities World Asia 2012という

コンファレンスに出席するために香港に来ています。

 

昨日は、私の担当のパネルディスカッションと講演を行いました。それ以外にもいろいろと面白い話がありました。

 


特に印象に残ったのは、アメリカの大手シニア住宅事業者、

サンライズ・シニア・リビング社の幹部が、

2003年からドイツで取り組んでいた事業から

撤退したという話でした。

 

実は私は2007年にスイスの会議で

この会社の別の幹部からドイツ事業の話を聞いていたので、

その顛末は大変興味深いものでした。

 

この話は別途詳細にレポートしたいと思いますが、

一言でいえば、アメリカ型のシニア住宅は

ドイツでは受け入れられなかったということです。

 

そして、受け入れられなかった理由の多くが、

日本の事情ときわめて似ていたことが

印象に残りました。

 

日本でも一時期、アメリカ型のリタイアメント・コミュニティが

流行った時期がありました。

しかし、その大半はすでに過去のものとなっています。


これまでアメリカ発の多くのものが日本に入り込んでいます。

しかし、シニア住宅については、文化の差が大きく、

日本の文化・環境に適応した修正を相当施さないと

日本人に受け入れられるのは難しいのが現状です。

 

ただ、私は、サンライズ社の幹部が

自社の失敗事例について、包み隠さず、

詳細に話してくれたことに

大変好感を持ちました。

 

通常、こうしたコンファレンスでは、

美辞麗句ときれいな写真を並べて、

自社の宣伝ばかりをする例が多いのです。

 

誰でも自分の失敗談を公衆の面前で

さらけ出したくないものです。

 

特にアメリカの大手企業が、自らの失敗談を

詳細な分析とともに話をするスタイルは、

ほとんど見たことがありません。

 

なので、今回の話が聴けたことは

大変意義深いものでした。

 

実はアメリカのアシステッドリビング業界で

トップ企業であるサンライズ社も、

リーマンショック後に経営危機に陥りました。

 

こうした事情が、それまで業界トップであることで

やや高飛車な雰囲気のあった同社の経営に

変化が起こったのかもしれません。

 

今回話をしてくれた幹部の人は、経営危機後の

2010年に入社した人であり、

過去のしがらみがなさそうな人でした。

 

過去のしがらみと無縁の立場であることで、

自社の失敗事例について冷静に語ることが

できたのかもしれません。

 

一般にアメリカの企業には自社のスタイルを

相手にゴリ押しするイメージが強いです。

 

しかし、こうした謙虚なスタイルが

アメリカ企業にも存在することを知ると

アメリカという国の奥深さを感じるとともに、

サンライズ社の今後の展開が楽しみになりました。

 

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