便利な時代の不便さ
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年11月15日 Vol.123
音楽ネット配信サービスiTunesで
配信される曲の種類が飛躍的に増えている。
例えば、往年の名指揮者ブルーノ・ワルターが
戦前のウィーンフィル時代に録音した
マーラーの交響曲9番のライブ演奏が手に入る。
この演奏は作曲者の友人で良き理解者であったワルターが、
ナチスからの迫害を受けてアメリカに亡命する直前の
1936年に世界で初めて録音された歴史的演奏である。
また、1929年に録音されたセルゲイ・ラフマニノフの
ピアノ協奏曲第2番の作曲者自身による演奏も手に入る。
第一楽章の冒頭の鐘の音をイメージした箇所は、
分散和音で弾かれることが多いが、
手の大きなラフマニノフが分散和音ではなく同時に打鍵している。
こうした作曲者の意図がよくわかり、興味深い。
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アメリカ大統領選挙と高齢者の関係
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年11月6日 Vol. 122
なぜ、オバマ氏がアメリカ大統領選挙で勝ったのか。
直接的な理由は、選挙人が多い激戦州を制したからだ。
選挙人とは形式上、間接選挙制をとるアメリカ特有の制度だ。
アメリカでは有権者がその州の選挙人を選び、
選挙人が正副大統領を選ぶようになっている。
有権者が投票するのは正副大統領候補であるため、
直接選挙とあまり変わりない。
ただし、その州でトップになった候補は、
その州の選挙人を丸取りできるという制度である。
選挙人が多い激戦州とは、多い順に①フロリダ州(27人)、
②ペンシルバニア州(21人)、③オハイオ州(20人)、
④ミシガン州(17人)、⑤ノースカロライナ州(15人)である。
2000年の大統領選では、フロリダ州の結果で共和党の勝利が決まった。
2004年ではオハイオ州の結果で勝敗が決している。
今回の選挙では、現時点(日本時間6日8時現在)で開票結果が出ていない
ノースカロライナ州を除く激戦州上位4つをオバマ氏が制したのである。
なぜ、オバマ氏はこうした激戦州で勝利できたのだろうか。
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100歳を過ぎても元気な人の理由
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年10月6日 Vol. 121
登山家として著名な三浦雄一郎氏は
今年5月に75歳でエベレストに再登頂したことで、
一段と注目されている。
その氏が、99歳でモンブランからスキーで滑降し、
101歳までスキーを続けた父親・三浦敬三氏について語った
次の話が面白かった。
どうして100歳を過ぎても元気なのか、多くの人に言われたので
遺伝学の権威の先生に調べてもらった。
そしたら、遺伝子的にはまったく特異性はなく、
普通だと診断された。
父が100歳を過ぎても元気なのは、遺伝子が理由ではなく、
具体的な夢を持っているからではないか、と言われた。
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60歳以上のためのデザインセンターの意味
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年8月25日 Vol. 120
6月下旬に再びシンガポールに出張した。理由は、シンガポールで年配者のためのデザインセンターが開所するため、そのセレモニーへの出席と併せて開催される国際アワードの審査員を依頼されたためだ。
新しいデザインセンターは、
「>60 (グレーター・ザン・シックスティー)Design Centre」という。
文字通り60歳以上の人の商品・サービスをデザインするところだ。
開所式は、6月27日に行われ、
当日はナザン大統領も出席するほどの力の入れようだった。
シンガポールの高齢化率は8%。
国連の定義によれば「高齢化社会」の仲間入りをしたばかりの若い国だ。
にもかかわらず、なぜ、このようなセンターを政府が後押しして立ち上げたのか。
そのヒントは、センターが設置された場所にある。
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アメリカ人の壁写真の意味
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年6月24日 Vol. 118
5月下旬から6月上旬にかけて多くの友人宅やリタイアメント・コミュニティを訪れる機会があった。
アメリカ人の自宅に招かれると、どの家でも目に付くものがある。 それは家族や自分たちの写真を壁に数多く飾ってあることだ。
どこに行っても例外なく家族の写真が
きれいな額に入れられて飾ってある。
60歳過ぎのある友人宅では、一人娘の結婚式の時の写真が
壁一面に拡大されて飾ってあった。
同時に、何十年前かの自分たちの結婚式の時の写真も
綺麗な額に入れてちゃんと飾ってあった。
あるリタイアメント・コミュニティで招かれた家では、
82歳の奥さんが60年以上前に旦那さんと出合った高校の
卒業証書をそれぞれ額に入れていた。
これには正直驚いたが、微笑ましくなった。
日本では友人宅に遊びに行っても、
こうした写真を目にする機会は少ない。
写真を多く飾れるほどの壁が少ないという理由以外に
何か別の理由がある気がする。
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年金のない成長国・シンガポール
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年5月7日 Vol. 117
日本では相変わらず年金制度を巡る混乱が続いている。堺屋太一氏は『社会年金制度は、近代工業社会が生み出した最後の、そして多分最大の「怪物」』と言っているが、同感だ。
現状のような不合理で、でたらめの運営がまかり通っている制度は なくしてしまえ、という意見を最近多く耳にする。
多くの役人は「世界の主要国で公的年金のない国はない」と説明する。
だが、これは正しくない。公的年金がない主要国は存在する。
シンガポールがその一つだ。
シンガポールには公的年金制度がない代わりに
CPF(Central Provident Fund) と呼ばれる
国による強制預金制度がある。
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IT化で見えてくる意外なもの
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年4月11日 Vol. 116
3月29日から東海道新幹線に乗るのに、
従来の紙の切符の代わりにICカードで乗れるようになった。
これによるメリットは、ネットや携帯電話で事前に予約しておけば、乗車前に紙の切符を入手する必要なく、乗車できることだ。
私のような出張の多い人間にとって、これは大変便利である。
航空機では当たり前になっているICカードでの乗車に
ようやく新幹線も追いついた。
この機会に、さらに利便性を上げるために、
ICカードすら使わずに携帯電話を使って乗車できるように
携帯の機種変更をした。
「おさいふケータイ」という機能つきのものだ。
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生きているうちに行きたい日本の100ヶ所
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年3月18日 Vol. 115
リクルート北海道じゃらんが発行する「観光会議ほっかいどう」の2008春号に掲載された「2007年道内人気観光地調査」に目がとまった。
これによると、これまで行って「満足した」「良かった」感動率・満足度のベスト5は、第一位:函館、第二位:利尻島、第三位:礼文島、第四位:湯の川温泉、第五位:登別温泉となっている。
また、これまでに訪問して、もう一度行きたいと思う道内旅行先の
リピート意向率のベスト5は、第一位:函館、第二位:礼文島、
第三位:利尻島、第四位:湯の川温泉、第五位:登別温泉となっている。
感動率・満足度のベスト5とリピート意向率のベスト5は、
第二位と第三位が入れ替わっているだけで、すべて同じ。
これらが人気スポットであることを知った。
ところが、私はこの5つともほとんど知らなかった。
なぜなら、これまで縁がなく、この5つのどこにも行ったことがないからだ。
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飛行船が年配者に人気の理由
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年2月13日 Vol. 114
昨年の11月23日から今年の1月5日まで
東京上空で飛行船遊覧クルーズが実施された。
販売を担当したJTB西日本によれば、
発売開始直後に定員800名がほぼ完売したという。
興味深いのは約350件の申込のうち、200件弱が60歳以上からだという点。つまり、申込件数の面で67%が60歳以上だったのだ。また、80歳以上からの申込も20件あったという。
料金は90分の乗船で一人14万円前後と決して安くない。
しかし、「料金が高い」という声は
申込者の誰一人からも出なかったという。
いったい、この人気の秘密は何なのか。
私自身乗船してみて、その理由がよくわかった。
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動き出したシンガポールのシルバー産業
スマートシニア・ビジネスレビュー 2008年1月15日 Vol. 113
1月9日から13日までシンガポールに出張した。 シンガポール政府の委員会主催で初めて開催された
SICEX(Silver Industry Conference & Exhibition)での 講演と打合せのためである。
前号で高齢社会への対応の面で「日本は21世紀の世界のモデルになる」と書いた。私にとって初めてのシンガポール訪問は、 まさにこのことを強く体感したものとなった。
まず、シンガポールでの開催にも関わらず、
タイ、マレーシア、インドネシアなど周辺国からも
多くの参加者が集まっていた。
また、メディアの関心が非常に高く、
リー・クアン・ユー元首相・顧問相が参加したこともあり、
連日のように報道していた。
私もブルームバーグTVへの生出演をはじめ、
3つのテレビ局、5つの新聞社・出版社から
個別インタビューを受けた。
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