保険毎日新聞2013年1月7日 生保業界が抱える課題考察
スイス再保険は12月6日、マンダリンオリエンタル東京(東京都中央区)で「2012スイスリーアクチュアリアルコンファレンス」を開催した。アジア地域を担当する同社の専門家が、日本をはじめとした各国の保険事情や課題について解説。
また、シニアビジネスに造詣の深い村田アソシエイツ代表の村田裕之氏がシニア市場の動向を示した。同コンファレンスには元受保険会社のアクチュアリーを中心に、商品開発担当者など約50人が参加した。
シニア市場の特性見極めた施策を
最後に、外部講師として村田氏が「超高齢社会とシニアビジネス」と題して講演した。
日本の総人口は減少傾向にあるが、高齢者人口は増加の一途をたどっている。また、60代以上の世帯は正味金融資産(貯蓄から負債を引いた資産)が最も多く、巨大なマーケットとして注目されているが、村田氏は 「シニア層向けの新事業を始める企業は多いものの、それほど単純な市場ではない。おおざっぱな施策では失敗する」と指摘。
「50代、60代、70代では消費傾向が異なるため、“シニア=50代以上”とくくってはならない。シニア市場はマス・マーケットではなく、多様なミクロ市場の集合体。年齢ではなく、新たな価値観でくくられる市場だ」と強調し、シニア市場での成功事例などを紹介した。