村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

超々高齢社会と世界中で進むシニアシフト

実は2030年までにアフリカと中東諸国を除く、世界の大半の国が「高齢化社会」に突入します。ますます混沌とする世界情勢のなかで、予測できる確実な構造的変化は「人口動態のシニアシフト」なのです。にもかかわらず、私たちはこの「確実な構造的変化」が進行していることを忘れがちです。以前ご紹介した映画「PLAN75」は、「社会の高齢化は止まらない、思考停止に陥るな」という警鐘です。「高齢化社会」に突入する国にはロシアや北朝鮮も含まれています。彼らが戦うべきはウクライナやアメリカではなく、社会の高齢化です。戦争をやっている暇はないのです。

芸術のウェルビーイング効果とは?

高齢者の社会的孤立予防・解決の施策としての芸術の可能性―――こんなテーマでお話しすることになりました。私は1)スマート・エイジングと脳の健康の影響要因についてお話しし、他者とのコミュニケーションを伴う知的文化活動は脳の健康維持に有益であることを示します。2)50歳以上の人を対象に「世代原体験」を踏まえた「自己復活消費」「夢実現消費」のきっかけの場を作ると孤立気味の人が文化活動を始めやすくなることをお話しします。私以外に京都大学 こころの未来研究センター 内川由紀子教授の講演もあり、その後、拠点長の東京芸術大学 伊藤達也特任教授とのパネルディスカッションも予定しています。

10月9日 MED 2022に登壇します!

10月9日に日本科学未来館で開催のMED 2022に登壇します。MEDは「いのちの場から、社会を良くする」ための場として2013年より開催され、これまでに300人近いプレゼンターが登壇し、社会に影響力をもつメディアとして機能しています。超々高齢社会の課題解決には税金のバラマキではなく、健全なビジネスで回る仕組みが必要です。今回はその一部をご紹介し、日本で磨いたシニアビジネスが世界で役に立つこと、日本だから可能な社会貢献のやり方を皆さんと共有したいと思います。

海外旅行者のICTスキル支援の需要が高まる

海外では電子化の波が進んでいる。入国、出国手続き、感染管理から、食事のメニュー、買い物まで幅広い。コロナ禍がそれを加速している。今後海外旅行が本格的に回復する際、旅行者のICT活用と英語でのやり取りが不可欠になる。ということは、こうしたスキルを支援するサービスの需要が高まるとも言える。新しいビジネスは常に変化により生じる「不の解消」にある。

「スマート・エイジング」の観点でのスマートウォッチの活用法

今回の内容は平たく言えば「要介護状態にならないためのスマートウォッチの活用法」でした。要介護状態にならないためには脳卒中の予防が最重要です。脳卒中は動脈硬化の結果、起こります。動脈硬化を進行させる要因は、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病です。したがって、脳卒中の予防のためには生活習慣病の改善が必要です。生活習慣病の改善に最も有効なのか有酸素運動です。有酸素運動による脂肪燃焼に適した心拍数は最大心拍数の65%と言われています。この心拍数を運動しながら目で確認できるのがスマートウォッチの便利な点です。

外出の「習慣行動化支援」がビジネス機会になる

クラブツーリズムが「コロナ禍の2年間を振り返って、どんな変化があったか」を尋ねたアンケート結果で目立ったのは「外出がおっくうになった」「出かけるのが面倒に感じる」といったコメントが非常に多く見られた点だ。実はこうしたコメントは、「意欲」や「やる気」の低下を表している。原因として第一に考えられるのは、「認知機能の低下」だ。運動不足や会話不足は大脳の前頭葉にある意欲の中枢の機能低下を促す。また、テレビやYouTubeを見る時間が増えると大脳の前頭前野に抑制がかかり、習慣化すると認知機能が低下する。第二に考えられるのは、外出しないことが「習慣行動化」したためだ。

ターゲットも機能も絞り込んで「不」を解消せよ

私は2004年に上梓した拙著「シニアビジネス」で「シニア市場とは多様性市場」と主張し続けてきた。ところが、これを聞いてあれもこれもとサービスを「てんこ盛り」にして商品の売りがぼけてしまう例が後を絶たない。シニア市場では、むしろターゲット客も商品機能も絞り込んだ方がうまくいく。最近の良い例がパソコン周辺機器メーカー、バッファローの「ラクレコ」だ。

ウィズコロナ時代の旅と人生の楽しみ方

ウィズコロナ時代とは、文字通り、コロナウイルスと共に生活せざるを得ない時代です。この時代には、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の感染拡大→政府による行動制限の強化→感染縮小→行動制限の緩和が周期的に繰り返されます。重要なのは、こうした行動制限が発令されたとしても、健康に元気でいきいきと過ごすことができる生活スタイルを実践することです。本連載でお話ししてきた「スマート・エイジング」の考えに基づく生活スタイルが、まさにそれです。

映画「PLAN75」と日本の近未来

この映画は「PLAN75」という架空の制度が導入された近未来社会を描いています。ところが、高齢を理由に職場から解雇される場面や、一人暮らしの高齢女性の友人が孤独死をする場面など、制度以外に描かれているシーンのほとんどが、近未来でなく既に今日現実に起きていることばかりです。これが、この映画が単なる近未来のフィクションのように感じられず、描かれている世界が現実感をもって迫ってくる大きな理由です。よい映画というのは、いろいろな解釈が可能な「複線的なメッセージ性」をもっています。そして、見る人間の立場や見るタイミングによって、豊かな想像を掻き立ててくれる力があります。この映画もそうした力をもつ映画だと思います。

ウィズコロナ時代でもイキイキと元気に過ごす秘訣:参加者の声

NRI顧客セミナーで基調講演、「ウィズコロナ時代でもイキイキと元気に過ごす秘訣~スマート・エイジングで人生100年時代を乗り越える」をテーマにお話ししました。今回の対象は全国のシルバー人材センターの役職員約200 名の皆さんでした。久々に会場の皆さんの前での講演会でした(オンラインでも中継のハイブリッド方式)。会場での講演とは言え、皆さんがマスクをしていて表情が見えにくかったため、どの程度私の話が伝わったのか正直不明でしたが、講演後のアンケートを拝見して前向きなコメントを多数いただいたことが確認でき、ほっとしました(笑)。

元気でいきいきと過ごすための「3つの秘訣」:参加者の声

今回は同セミナー第2回で、元気でいきいきと過ごすための「3つの秘訣」をテーマにお話ししました。対象は有料老人ホームのご入居者さん(70代~90代)とスタッフの皆さん(20代~50代)でした。ご入居者さんは自立の方と要介護の方が混在していました。実はこんな風に高齢のご入居者さんと若いスタッフの方が混在する場合、耳の遠い方も結構いらっしゃるのでお話しするのに工夫が必要となります。にもかかわらず、多くの皆様からアンケートの回答をいただきました。

いくつになっても仕事ができることの重要性

今年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門のスペシャルメンション(次点)に選ばれた早川千絵監督による「PLAN75」で問題提起されたように、超高齢社会では割合の多い高齢者を割合の少ない現役が支えることになり、それが厳しくなるため何らかの方策が必要となります。そのなかでも重要なのは、いくつになっても働く意思がある人には何らかの形で働く機会があることでしょう。この意味においてシルバー人材センターの役割は今後ますます重要になると思います。