村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

シニアの健康管理で重要な計測項目とは?

スマートフォンを活用したシニア向けヘルスケアアプリが多く登場している。体組成計やスマートウォッチとの連携によるサービス提案も多い。だが、介護予防を目的とする場合、こうしたアプリでできることはごく一部に限られている。シニアを対象とした健康管理には血圧管理と定期的な血液検査が不可欠だ。ヘルスケアアプリは多くの機能をそろえ、健康管理に有用だと謳っている。だが、最も重要な介護予防の観点ではできることはごく一部。誇大広告に惑わされないようにしよう。

「スマート・エイジング」の観点でのスマートウォッチの活用法

今回の内容は平たく言えば「要介護状態にならないためのスマートウォッチの活用法」でした。要介護状態にならないためには脳卒中の予防が最重要です。脳卒中は動脈硬化の結果、起こります。動脈硬化を進行させる要因は、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病です。したがって、脳卒中の予防のためには生活習慣病の改善が必要です。生活習慣病の改善に最も有効なのか有酸素運動です。有酸素運動による脂肪燃焼に適した心拍数は最大心拍数の65%と言われています。この心拍数を運動しながら目で確認できるのがスマートウォッチの便利な点です。

「脳トレ手芸」累計販売2.6万個

手芸用品大手、ユザワヤ商事の「脳トレ手芸シリーズ」が50代、60代の女性に好評だ。2020年12月発売以来、第一弾「クロスステッチ刺繍(ししゅう)キット」と第二弾「編み物キット」の累計販売数が約26,000個となった。同社によれば従来品の4倍規模とのことで縮小気味の手芸市場では異例のヒットだ。ヒット理由の第一は「自己復活消費」を後押ししていること。第二は楽しく継続でき脳トレにもなることだ。

外出の「習慣行動化支援」がビジネス機会になる

クラブツーリズムが「コロナ禍の2年間を振り返って、どんな変化があったか」を尋ねたアンケート結果で目立ったのは「外出がおっくうになった」「出かけるのが面倒に感じる」といったコメントが非常に多く見られた点だ。実はこうしたコメントは、「意欲」や「やる気」の低下を表している。原因として第一に考えられるのは、「認知機能の低下」だ。運動不足や会話不足は大脳の前頭葉にある意欲の中枢の機能低下を促す。また、テレビやYouTubeを見る時間が増えると大脳の前頭前野に抑制がかかり、習慣化すると認知機能が低下する。第二に考えられるのは、外出しないことが「習慣行動化」したためだ。

シニア消費を促す仕組み

シニアの消費を促すためには、売る側の努力だけでは不十分です。商品・サービスを売る側の企業が年金以外の副収入を得る機会を提供すれば、可処分所得が増えるので消費が促されます。商品を売る側が意図的に自社の顧客に仕事の機会をつくることです。商品を売ることだけを考えるのではなく、商品を買う側が金銭的報酬だけでなく、社会とのつながりを得るなどさまざまな報酬を得られるビジネスのサイクルを考えることです。

歌声サロン・ライブビューイングで地方のシニアも元気に

カラオケ大手「まねきねこ」を運営するコシダカが「歌声サロン・ライブビューイング」というサービスを始めたところ、シニアに好評だ。歌声サロン主催者として年間5万人の動員実績をもつ音楽家の杉山公章氏とコラボし、昭和歌謡コンサートをライブ配信する。一般のライブビューイングでは会場からのライブ映像を全国各地の大型スクリーンのある上映会場に配信するが、このサービスではカラオケ店「まねきねこ」のパーティールームに配信する。各店舗で歌いたい曲のリクエストをすると杉山氏が取り上げてくれる。

ターゲットも機能も絞り込んで「不」を解消せよ

私は2004年に上梓した拙著「シニアビジネス」で「シニア市場とは多様性市場」と主張し続けてきた。ところが、これを聞いてあれもこれもとサービスを「てんこ盛り」にして商品の売りがぼけてしまう例が後を絶たない。シニア市場では、むしろターゲット客も商品機能も絞り込んだ方がうまくいく。最近の良い例がパソコン周辺機器メーカー、バッファローの「ラクレコ」だ。

シニアが愛ス 60代・70代以上 支出金額伸び率高く

日本アイスクリーム協会によると、2021年度の販売額は5258億円と過去最高になったとのこと。21年のアイスクリームの世帯主年代別支出金額は60代が9567円と11年に比べて49%増、70代以上が7,454円と同43%増と他の年齢層に比べて伸び率が高い。この理由について解説しています。

時代性の変化はシニアの消費行動にどう影響するか?

「時代性の変化」はシニアの消費行動に大きく影響します。最近では新型コロナウイルス感染症の流行による消費行動の変化が一例です。ここ15年の間に変化が起きたものに定年退職後のライフスタイルがあります。2000年代中頃までは、退職後は仕事をやめてのんびり過ごすライフスタイルが「ハッピーリタイアメント」の理想形でした。最近は退職直後は多少遊ぶものの、退職後も週3日程度は仕事を続ける「半働半遊派」が増加しています。今後は「70歳まで現役」の人が増えるでしょう。すると70歳まで心身ともに健康維持できるための商品・サービス需要の増加が予想されます。

ウィズコロナ時代の旅と人生の楽しみ方

ウィズコロナ時代とは、文字通り、コロナウイルスと共に生活せざるを得ない時代です。この時代には、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の感染拡大→政府による行動制限の強化→感染縮小→行動制限の緩和が周期的に繰り返されます。重要なのは、こうした行動制限が発令されたとしても、健康に元気でいきいきと過ごすことができる生活スタイルを実践することです。本連載でお話ししてきた「スマート・エイジング」の考えに基づく生活スタイルが、まさにそれです。