スマートシニア・ビジネスレビュー 2014年10月3日 Vol.208
「スマート・エイジング」を考えるもう一つのオススメ映画をご紹介します。そのタイトルは「愛こそはすべて All You Need is Love」。私と同郷(新潟県長岡市)で意欲作を続々と発表している気鋭の五藤利弘監督の新作です。
この映画のテーマは、ズバリ「生きること」。
何の夢も目標もなく生きている若者が突然ガンになったら、どうするのか。いまを生きる若者が突然、死を目の前にして、一体何を考えるのか。
かつて、黒澤明監督は映画「生きる」で、一介の市民課長が死を目前にして生きることの意味を見出していく姿を描きました。この映画は現代版「生きる」。五藤監督自身の体験を踏まえた直球勝負の作品です。
このたびの御嶽山の噴火で火山灰や落石に襲われて亡くなった方々、心よりお悔やみ申し上げます。ただ、恐らくほとんどの方々は事故が起きる前まで、まさか自分が事故に巻き込まれて死んでいくと予想はしていなかったでしょう。
実は、私たちの「生」は常に「死」と隣り合わせです。生きている私たちは、いとも簡単に死ぬ。残念ながら、その事実に気が付くのは往々にして身近な人が亡くなった時です。
しかし、身近な親戚や友人、知人が亡くならないと自分が生きていることの意味に気が付かないというのは皮肉です。だからこそ、時々意識して、自分の「死」を正面から見つめる時間が必要です。日々の忙しさという大波に流されないための錨が必要なのです。
自分に与えられた時間が実は有限であること。その時間は砂時計の砂が落ちるが如く、生まれた瞬間から確実に減り続けていること。そして、その砂の落下がいつ終わるのかが自分には分からないこと。
こうした事実を正面から受け止め、心を整えていくことで、自分が生き続けていることの意味を考えることができる。五藤監督の新作は、そのことを考えるきっかけを与えてくれる作品だと思います。
ちなみに、五藤監督の作品は、有望な若手俳優・女優さんの発掘で有名です。
例えば、私の生まれ故郷・長岡市栃尾を舞台にしたファンタジー映画『ゆめのかよいじ』主演の石橋杏奈さんは、大人気のNHK朝ドラ「花子とアン」のスピンオフドラマで花子の幼なじみ朝市のお嫁さん役で出演します。また、『ゆめのかよいじ』で石橋さんの相手役だった白石隼也さんも同時出演します。
【花子とアン】朝市のお嫁さん役に石橋杏奈 スピンオフ放送決定
あるいは、茨城を舞台にした映画「花蓮」主役のキタキマユさん、共演の三浦貴大さん(三浦友和、山口百恵の長男)なども、五藤監督作品出演をきっかけにブレークした人たちです。「愛こそはすべて」に出演の若手俳優・女優さんが今後どのように活躍していくのかも楽しみです。
映画の上映は、明日10月4日(土)から10月10日(金)までの 1週間限定。劇場は、東京・中野区のポレポレ東中野。連日21時10分からの上映です。
上映後に五藤監督と出演者などによるトークが行われます。私も10月8日(水)のトークに参加します。
ご興味のある方は、ぜひ、ポレポレ東中野までお運び下さい。
「愛こそはすべて」公式サイト
ポレポレ東中野「愛こそはすべて」の紹介
ポレポレ東中野 上映スケジュール