シニア市場の数値の信ぴょう性を確認する簡単な方法

スマートシニア・ビジネスレビュー 201347Vol.192

村田裕之_ニュースジャパン

44日夜に放映されたフジテレビ・ニュースジャパン、Nの法則「第三の場所」の解説をご覧いただいた皆様から多くの感想をいただき、ありがとうございました。

 

番組中「60歳以上の貯蓄が463兆円」というテロップが流れましたが、実はこれは誤りです。

 


拙著「シニアシフトの衝撃」第
2章に詳細に記載している通り、60歳以上の貯蓄は7967383億円(総務省統計局による「家計調査報告」平成22年による)となります。

 

一方、463兆円という数値は、同じく「シニアシフトの衝撃」に記載の、60歳以上の「正味金融資産」の合計4822884億円を誤って引用し、かつ数値を丸めたものと思われます。

 

同様の数値として以前、何度も耳にした数値として「シニア市場100兆円」というのがありました。これは番組では引用されませんでしたが、この数値も拙著に記載のとおり、77.1兆円が正しい数値です。

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ついに買い物2千円で配送料無料のネットスーパー登場、普及の追い風に?

スマートシニア・ビジネスレビュー 2013129 Vol.191

カスミネットスーパー

ネットスーパーもまもなく普及期に入るそんな予感が現実化しつつあることを感じました。

 

つい先日訪れたスーパーのカスミによるネットスーパーがそれです。現在会員登録受付キャンペーン中で配送開始は26日からとのこと。

 

チラシを見て“はっ”としたのは、なんと一回の買い物2千円(税込)以上で配送料無料なのです。

 

ネットスーパーが登場したのは2007年頃。ただし、当初はローカルな地元密着のスーパーが大半でした。それが昨年頃からイトーヨーカドーやイオンなどの大手も本格展開を始めています。しかし、各種調査によれば、人口当たりの利用率は最大でも20%程度と低いのが現状です。

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孫も対象の贈与非課税は消費拡大の起爆剤になるか

スマートシニア・ビジネスレビュー 2013115 Vol.190

祖父母と孫成人式の昨日、関東地方は滅多にない大雪となり、新成人の方には大変な船出となりました。一方、新成人にとって良さそうなニュースもありました。それは、政府・与党が、「孫」への財産の贈与について、2500万円までを非課税にする方針を固めた、というものです。

 

<政府・与党>子・孫への贈与税軽減…生前の資金移転を促進

 

 


シニア資産30%の消費は、国家予算1・6倍分のインパクト

 

拙著「シニアシフトの衝撃」第3章に詳しく述べているように、シニアの資産構造の特徴は「ストック・リッチ、フロー・プア」です。私の試算によれば、60歳以上の人が保有する「正味金融資産」合計は、482兆2884億円となります。このうち、仮に正味金融資産合計の3割が消費支出に回ったとすると、その金額は144兆6865億円となります。この数値は、2011年度の一般会計90兆3339億円の1・6倍にもなります。

 

シニアシフトの衝撃 第3章  市場の見方を誤るな

今回の政府・与党案は、高齢者がたくさん持っている金融資産を早い時期に次の世代に移すことで、消費拡大を促し経済を活発化するのが狙いとのことで、基本的には歓迎すべきものです。

 

一方で、今回の案は、富裕層向けの所得・相続税増税を同時に実施するためのバランス政策でしかないという見方もあります。そこで、本ビジネスレビューでは、まだ全貌が明らかではないものの、今回の政府・与党案が狙い通りのものになっているのかを考察してみました。

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介護ロボットが必要な本当の理由

スマートシニア・ビジネスレビュー 201317 Vol.189

 

浴室用介護リフト介護ロボットが必要な理由とは何でしょうか?

 

15日の毎日新聞に『<介護ロボット>8割が肯定的 「気を使わないから」』という記事がありました。この記事が引用しているのは、昨年11 1 日にオリックス・リビングが発表した調査。全国の40代以上の男女1238人を対象に実施した介護に関する意識調査です。

 

調査によれば、介護ロボットによる身体介護を「積極的に受けたい」「受けてもよい」と回答したのは男性78.7%、女性73.6%。年齢別にみると、50代男性では84.6%が介護ロボットに肯定的な回答を寄せています。

 

介護ロボットに肯定的な人に理由を聞くと、約9割が「ロボットは気を使わないから」「本当は人の手がいいが、気を使うから」と回答しています。

 

このように、介護ロボットが必要な第一の理由は、介護を受ける人の「心理的負担」の軽減です。

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時間消費の場所だからモノが消費されるわけではない

スマートシニア・ビジネスレビュー 201315 Vol.188

渋谷ヒカリエ今日の日経に「渋谷ヒカリエ首位に 首都圏の商業施設集客力」という記事がありました。昨年開業した渋谷ヒカリエや東京スカイツリーのソラマチなどが好調とのことです。

http://s.nikkei.com/138VqQv

 

好調の理由として「時間を消費する場所に進化させたこと」と記事にはありました。しかし、ここで考えるべきは、いったい「どういう」時間消費の場所になっているのかです。

 

というのは、時間消費だけではモノの消費は生まれないからです。たとえば、退職シニアは図書館によく行きます。図書館ではタダで新聞が読めるからです。ところが、新聞を読み終わるとそのまま寝ている人が多い。時間消費しても何も消費が起きない典型例です。

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シニアビジネスで苦戦するもう一つの理由

スマートシニア・ビジネスレビュー 20121219Vol.187

日経MJ121219本日1219日の日経MJ(日経流通新聞)1面に「宝の山に落とし穴」と題して、シニアビジネスの苦戦事例から教訓を探るという記事が掲載されています。

 

今回の特集記事の特徴は、多くの事例とともに苦戦要因とその背景についてまとめてあることです。

 

例えば、ケース1のJTBシニアカレッジでは、「学び、長期は避ける」、ケース2のブリジストンスポーツのゴルフクラブでは「同世代キャラで暗示」、ケース3のそごう柏店のシニア向け店舗では「夫婦で買い物対応を」、という風に端的に整理されています。

 

ちなみに、プロトコーポレーションの会員制サービス「悠々知適(ゆうゆうちてき)」のコーナーで、時間消費型ビジネスの注意点についての私のコメントも掲載されています。

 

私が企業の皆さんから講演や相談を受ける時も「事例も踏まえて成功失敗要因が知りたい」というリクエストをよく受けます。シニアビジネスに関心のある方には大変参考になるでしょう。

 

一方、今回の記事では触れられていない重要なことをお伝えしましょう。

 

それは、シニアビジネスで苦戦する理由は大きく2つに分けられることです。一つは、今回の記事のように「シニア市場特有の性質」によるものです。一方、もう一つは、シニア市場に「新規事業として取り組むがゆえの難しさ」によるものです。

 

私が知る限り、後者の理由で苦戦している事例が実は圧倒的に多い。それは言い換えれば「新規事業の壁」で苦戦しているのです。

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シニア資産30%の消費は、国家予算1・6倍分のインパクト

スマートシニア・ビジネスレビュー 20121210Vol.186

図表シニアシフトは経済の活性化と国家財政の改善に寄与する

 

いま進行中の「企業活動のシニアシフト」は、単に企業や消費者であるシニアがメリットを享受するだけにとどまらない。経済の活性化と国家財政の改善に寄与するのだ。

 

2012年8月10日に消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法が参院本会議で採決され、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立した。現行5%の消費税率は2014年4月に8%、2015年10月には10%へ2段階で引き上げられることになった。2015年10月に、現状に比べて消費税は5%のアップとなる。

 

ちなみに、この5%分は金額にすると年間13兆5000億円。このうち、約4%の10兆8000億円を社会保障費に回すことになっている。ところが、この分だけ毎年度の国債発行は減らせるが、新たに年金や医療介護費に回せる分はない。残る約1%分の2兆7000億円は、子育て支援などの社会保障の充実に回すことになっている。

 

しかし、2012年度の一般会計90兆3339億円のうち、社会保障費は26兆3901億円にものぼる。消費税を10%まで増税しても、焼け石に水なのが実態だ。しかも、増税により、生活が一段と厳しくなるという心理面でのマイナス効果で、一段と財布の紐が固くなり、消費が落ち込む可能性もある。

 

つまり、税率をアップして増収を見込んだのに、消費が減って見込んだとおりの税収すら得られなくなる恐れもあるのだ。

 

したがって、本来必要なことは、①社会保障費の膨張を抑えること、②消費税増税に頼らない税収増の方法を模索することである。

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もはやファミリー向けではなくなったファミリーレストラン

スマートシニア・ビジネスレビュー 2012126Vol.185

デニーズ拙著「シニアシフトの衝撃」の第1章に「もはやファミリー向けではなくなったファミリーレストラン」と書きました。この延長上のような記事が本日の日経新聞に掲載されています。

 

それは、高齢者向け住宅を運営する学研ココファンと“ファミリーレストラン”デニーズを運営するセブン&アイ・フードシステムズが提携して、建て替えを予定するデニーズのうち年間数棟を高齢者住宅との一体型に替えるというものです。

 

学研ココファンが取り組んでいるのは「サービス付き高齢者向け住宅」。これはかつての高齢者向け賃貸住宅で、要するに高齢者でも入居を断られない賃貸アパートです。

 

この住宅には最低限入居者の安否確認などのサービスを付けるのが条件です。これにより政府から補助金が受けられるので昨年の制度スタートからハウスメーカーなどが注力しています。

 

これまで安否確認以外のサービスとして、クリニックやデイサービスセンターの併設などがありました。しかし、本日の記事は、こうしたサービスの中身の新たな方向性を示したものと言えましょう。

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「シニアシフトの衝撃」上梓に際して

スマートシニア・ビジネスレビュー 20121112Vol.184

シニアシフトの衝撃(カバー画像)1116日に新著「シニアシフトの衝撃」をダイヤモンド社より上梓します。

 

サブタイトルに「超高齢社会をビジネスチャンスに変える方法」とあるように、これはシニアビジネスに取り組むビジネスパーソン向けの本です。

 


「シニアシフト」には2種類あります。1つは、「人口動態のシニアシフト」。これは、人口の年齢構成が若者中心から高齢者中心へシフトすることです。もう1つのシニアシフトは、「企業活動のシニアシフト」。これは、企業がターゲット顧客の年齢構成を若者中心から高齢者中心へシフトすることです。

 

いま、産業界では「シニアシフト」が加速しています。人数の多い団塊世代が、2012年から毎年順番に退職年齢である65歳に達し、今度こそ大量退職して、新たな事業機会が生まれるとの期待があるからです。

 

5年前に「2007年問題」と称して、似たようなブームが起きました。しかし、今回の動きはその時の一過性のブームとは明らかに違います。今後、長期にわたって継続する社会全体の「シニアシフト」元年ともいうべき状況です。私は、シニアビジネス分野の専門家として多くの企業経営者・実務担当者とのやりとりを通じて、このことを肌身で実感しています。

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アメリカで学習療法が立ち上がった日

スマートシニア・ビジネスレビュー 2012116Vol.183

P1020307-21021日からアメリカ・コロラド州デンバーで開催されたLeadingAge Annual Meeting & Expositionで、認知症の非薬物療法である学習療法の日本での経験とアメリカでのトライアル結果の発表を行いました。

 

LeadingAgeは、以前の名称がAAHSAThe American Association of Homes and Services for the Aging)であり、全米の高齢者向け住宅、高齢者向けサービスを提供する事業者の団体です。このため、今回の講演の対象者は、実際に高齢者住宅や施設を運営している経営者、実務スタッフが対象でした。

 

このイベントは、高齢者施設関係者にとって年に一度の大イベントであり、全米から関係者が集まります。このため、私たちはここでの発表機会を重要視していました。

 

にもかかわらず、私たちの発表日時がイベント最終日の、しかも朝8:30からと知らされました。これを知った時、正直がっかりしました。なぜなら、通常こうしたイベントでは最も聴衆が多いのが初日であり、日が経つにつれて聴衆は少なくなっていくからです。

 

しかし、ふたを開けてみると、会場には150名近い聴衆が集まり、ほぼ満席状態。私たちの発表に対する関心が相当高いことを確認できました。

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