日本経済新聞 2014年1月25日 日経プラス1 常識点検
日経プラス1「離れて住む親への孝行」というタイトルの記事で、以下の通りコメントが掲載されました。
まだ元気だからと安心していたが、最近は老け込んできた――。離れて住む親と正月などに会ったとき、こう感じた経験はないだろうか。「要介護ではないが、高齢なので健康状態が心配」という人も多いかもしれない。離れて暮らす親とどう連絡を密にし、気遣うといいのか。ポイントをまとめた。
「親が70歳を過ぎたら、元気かどうかを日ごろから確認する見守りを始めたほうがいい」。こう話すのは東北大学加齢医学研究所特任教授の村田裕之さんだ。筋肉や関節の衰えが目立ち始め「医療機関で治療を受ける人の割合である受療率や認知症の出現率が75歳以上では急上昇する」(村田さん)という。
まず加齢以外に親の心身の機能が衰えるきっかけを知っておこう。特に注目したいのは生活の変化。定年退職してすることがなくなった、親しい友人が亡くなった、住み慣れた町から引っ越して近所付き合いが希薄になったなどは要注意だ。自宅に引きこもりがちで孤独な環境が続くと、心や身体の異変につながることがある。
(中略)
親とコミュニケーションを深めるときも、相手の気持ちを考えて接したい。「もう歳だから」と相手を否定するような印象を与えかねない言葉は避ける。外出を促すのに「もっと外に出たらと忠告するより、認知症予防の講演会かあるといった具体的な情報を提供するほうが効果的。自分で納得すれば行動する気になりやすい」(村田さん)
参考文献:親が70歳を過ぎたら読む本